今回は【営業サポート】本当にDXできてますか?アナログの罠を脱却し、デジタル変革で成果を上げる戦略② の続き。
前回までの振り返り
アナログの罠とは
- システムがデジタルなのに、業務はアナログのままであること
アナログの罠が発生する理由
- システム導入前の古いプロセスを新システムに踏襲するから
- デジタル化で実施すべきことを明確にしていないから
今回は「アナログの罠」から脱却する前に、そもそも「アナログとデジタルってなんだっけ?」を整理しておく。デジタルの定義や意義がわからないと、アナログの罠から脱却したか判断ができないからだ。
アナログ・デジタルってなんだっけ?
【営業サポート】本当にDXできてますか?アナログの罠を脱却し、デジタル変革で成果を上げる戦略①にも書いた内容を再掲。左がデジタル、右がアナログの動き。デジタルのメリットは、状態を数字や記号で表せること。左の絵なら「2上がって、3下がって、2上がった」と表現できる。対してアナログのメリットは、物事を曖昧に、ありのまま捉えられること。右の絵なら「緩やかに上がって、下がって、また上がっている」だろうか。
アナログとデジタルの比較
アナログとデジタルを簡単に比較してみるとこうなる。
いろいろ違う点があり、それぞれにメリット・デメリットはあるのだが、明確な違いはデジタルだけが数値化できるという点だ。そしてこの数値化こそが、ビジネスの優劣を決める鍵になる。
現代ビジネスはデジタル化しないと勝負にならない
数値化できるというデジタルのメリットは、現代ビジネスでは必須である。以下はその理由。
①データ収集・蓄積・分析が可能になる
現代ビジネスにおいて、データが取れることこそ最重要だろう。一昔前のように、人の勘に頼って足で稼ぐ、というのは効率が悪すぎるし、当たりハズれが多いからだ。
デジタルのメリット「数値化」によって、データとして収集・蓄積ができるようになる。これを分析することで、市場を見つけ、予測をして、売上を上げて、投資をして、利益を上げる。ターゲティングと投資効率に根拠があるのだから、この方がビジネスの効率が良いのは当然。
②顧客満足度が向上する
データを取ることで、顧客の嗜好や行動パターンを数値化することができる。これも大きなメリット。
今まで「誰が、どれくらい好きか」という嗜好は、アナログであいまいなものだった。このあいまいさを、購入数や閲覧数、アンケートなどで数値化することで、パーソナライズされたサービスや製品を提供できるようになるのだ。
パーソナライズの代表格はレコメンド機能だろう。訪問したWebサイトで、自分に合う商品が出てくれば、顧客満足度とロイヤルティの向上に直結するのは当然。
③オペレーションが自動化できる
ビジネスを回すためのオペレーションも数値化することができるし、効率は大幅に上がる。
「人の手」は応用が効く反面、人員確保は難しく、ミスはするし、再現性が低い。この作業手順をフローにして数値化すれば、自動化ができるし、ミスも大幅に減るし、再現性も高い。品質が安定するのもメリット。
オペレーション自動化の代表格はAIやRPAだろう。数値化で作られたルール通り動くし、ミスがないし、24時間365時間動いてくれる。効率がいいのは当然。
④運用コストが削減できる
これはオペレーションの変化により実現できる。
企業において、直接原価を除いて一番高いコストは人件費である。そして、人件費より高いシステムは基本的には存在しないと考えてよい。なぜなら人力を使わないために作られるのが機械やシステムだからだ。よって数値化により「人の手」が減れば、運用コストは間違いなく減るといえる。
ただしデジタルによる数値化を行うには大きめの初期投資がかかる。システムそのもののコストに加え、プライバシーの保護やセキュリティへの投資も必要になる。長期的なコスト削減と釣り合うかは投資対効果(ROI)で測ったうえで、丁寧な説明が必要になる。
なお私は過去において、様々なシステム導入をしてきた。大幅な改善によって80-90%の工数が削減できたものもあるが、一方で「2億円の投資で年間1億円削減」という規模の大きいシステム導入には失敗している。初期投資が膨らむことが多いだけに、説得力のある効果予測は必要だろう。
まとめ
- アナログとデジタルのうち、デジタルだけが数値化が可能である
- 現代ビジネスでは、デジタル化して数値化しないと勝負にならない
次回は「アナログの罠」から脱却するための、具体的な対策や解決策を書いてみる。【営業サポート】本当にDXできてますか?アナログの罠を脱却し、デジタル変革で成果を上げる戦略④ に続く。
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