前回は中国経済について書いたので、今回は日本経済について一本。日経平均終値が史上最高値を更新した。
日経平均終値が史上最高値を更新、前日比836円高の3万9098円…取引中には一時900円近く上昇
日経平均終値が史上最高値を更新、前日比836円高の3万9098円…取引中には一時900円近く上昇【読売新聞】 22日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)の終値は、バブル景気の1989年12月29日に記録した終値の史上最高値(3万8915円87銭)と、取引時間中の史上最高値(3万8957円44銭)を超えた。 22日の終値は22日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)の終値は、バブル景気の1989年12月29日に記録した終値の史上最高値(3万8915円87銭)と、取引時間中の史上最高値(3万8957円44銭)を超えた。
引用:読売新聞オンライン
日本の景気がよいというのは大変喜ばしいこと。そのうち、私が貢献出来たことはほんの僅かだけど、日本人として国が復活できたということは大変喜ばしいと素直に思う。「失われた10年」と呼ばれた不景気が「失われた34年」まで伸びたのは残念だし、家計が復活しきれていないことは課題ではあるが、ひとまずは喜んでおこう。
今回の最高値更新はバブルなのか?
日経平均の最高値更新のニュースを見て、バブルじゃないのか、すぐに下がるんじゃないのか、といった疑心暗鬼の声も聞こえてくるが、私の見立てではバブルではない、と考えている。
34年前は「借金→投資→借金→投資」という、いわば実態を伴わない株価上昇だった。つまり借金して投資することがそもそもの間違いであって、実態に引き戻されて、さらにマインドまで冷え込ませたのがバブルの構造だった。
今回の株価上昇は「借金して投資」という構造ではなく、企業や個人はむしろ借金せずに投資をしている。その証拠に、日銀は未だにマイナス金利を続けている。つまり今回は実態として株価が上昇しているのでバブルとは違うと言える。
日本の株価が上がるこれだけの理由
いまの日本経済を見ている感じ、かなりポジティブな要素が多い。ざっと箇条書きで上げてみる。
不良債権処理が終わっている
不良債権問題が一段落しているのはかなりポジティブ。「半沢直樹」や「監査役・野崎修平」のような話って、最近リアルでほとんど聞かないと思いません?逆にここで苦しんでいるのが中国経済だったりする。(【時事問題】中国の景気減速:中国経済は危険水域を突破している?を参照)
ガバナンスの強化が進んでいる
上場企業やIPOを目指す企業では、取締役会の強化、コンプライアンスの強化など、ガバナンスの強化がかなり進んでいる。その証拠に、現在は監査法人の人手がまったく足りない状況になっているのだ。私も監査法人さんと仕事していたが、いつも夜遅くまで作業されていて、何回連絡しても繋がらなかったりするし。。。みなさん本当にお疲れさまです。
日本市場には魅力がある
日本にしかないオリジナリティや革新性がグローバルに評価されているのも強い。グルメ系だと日本にしかないラーメン、回転寿司、うどん、牛丼などが評価されているし、化粧品系は品質が高くて肌に易しく、パーソナライズされた点が非常に評価が高い。コンビニやドラッグストアなどの小売も日本の独自性をうまく取り入れて拡大している。こういった「文化そのもの」に価値がある国の市場は強い。
中国・香港からの資金流出
これは外的要因もあるが、中国・香港からの流出資金先は日本になりやすい状況。いまの日本は賃金上昇、適度なインフレと景気高揚、強化されたガバナンスと強みが多いのだが、裏を返せば、中国・香港投資のデメリットが、そっくりそのまま日本投資のメリットになっているので、同じアジア市場に投資する場合の逃避先として選定されやすいはずだ。
まとめ
- 今回の最高値更新は実態が伴っており、バブルではない
- いまの日本株は魅力が多い
以上より、今回の日経平均の上昇は一過性のものではない。現状は個人投資家にとってもかなりチャンスだと思うので、新NISA含め、投資を考える時間をきちんと設けておきたい。
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