今日は2023年10月26日木曜日。プロ野球ドラフト会議の日である。そこでドラフト会議をビジネス的に分析してみる。
【ドラフト会議2023】結果一覧・12球団が指名した選手は?各球団注目の1位は――ドラフト会議2023の結果をお届けしますプロ野球のドラフト会議が10月26日、東京都内で開かれた。12球団はどの選手を指名し、交渉権を得たのか。
引用元:ハフポスト日本版編集部
ドラフト会議の位置付けとしては、来年の即戦力と、未来の主力をバランス良く指名していく、一年で一番大きい組織作り大会といってよいだろう。今年も支配下選手だけで72名が指名され、来年のプロ野球を盛り上げてくれるだろう。
組織を強くするための指名とは
ビジネスの世界では「採用」、ドラフト会議では「指名」という形で新しい人を迎え入れていくのだが、目的は組織を強くすることである。組織を強くする指名のコツはいくつかあって、人によって重要視しているポイントは違うが、共通して言えるのはこれだろう。
違うタイプを揃えた方が、組織としては強くなりやすい
ビジネスだと、行動力タイプ、分析タイプ、管理タイプなど、違うタイプを組み合わせると強いチームを作りやすい。苦手な部分を補いながら、得意な部分を活かすことができるからだ。これはプロ野球でも同じで、長距離砲、守備職人、本格派右腕、技巧派左腕など、得意分野が異なるメンバーを揃えた方が総合力は高くなる。
「史上最強打線」の話
約20年前の出来事なので20代の方は知らないと思うが、こんな話がある。
東京にあるとても裕福なチームの話。常勝と言われたチームが2003年は3位に終わり、オフに大補強を敢行。他球団の4番打者ばかりを強引に奪い取り丁寧にお誘いして、長距離砲をズラリと並べたチーム作りをした。これが歴史に残る「史上最強打線」である。
2004年、開幕戦から最終戦まで、史上最強打線は当然のように打ちまくった。クリーンアップは全て30本塁打以上、一番打者までもが28本塁打を放ち、プロ野球史上ぶっちぎりの年間259本の本塁打を放った。しかし結果は3位と、チームは全く強くなっていなかった。この年に優勝したのは、111本のホームランしか放っていない中日ドラゴンズというのも皮肉である。
2023年ドラフトで気になったのは「立浪ドラゴンズ」
そこで今年のドラフトに目を移すと、とても気になったチームがある。中日ドラゴンズだ。私はこのエントリーで、立浪ドラゴンズの一番の問題点を「組織作りの基本が出来ていない」と結論づけた。そのドラゴンズのドラフト結果はこんな感じ。
◾️中日ドラゴンズ(2022年ドラフト)
1位 仲地 礼亜(投手・沖縄大学)
2位 村松 開人(内野手・明治大学)
3位 森山 暁生(投手・阿南光高)
4位 山浅 龍之介(捕手・聖光学院高)
5位 浜 将乃介(内野手・日本海L)
6位 田中 幹也(内野手・亜細亜大)
7位 福永 裕基(内野手・日本新薬)
◾️中日ドラゴンズ(2023年ドラフト)
1位 草加 勝(投手・亜細亜大)
2位 津田 啓史(内野手・三菱重工East)
3位 辻本 倫太郎(内野手・仙台大学)
4位 福田 幸之介(投手・履正社高)
5位 土生 翔太(投手・茨城アストロプラネッツ)
6位 加藤 竜馬(投手・東邦ガス)
見事に「俊足巧打の内野手」という同じタイプばかり集めてる。もちろん、この内野手たちからスター選手が出る可能性はあるが、組織作りの基本ができていない以上、チームが強くなる可能性はまた低くなってしまったと言わざるを得ない。
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