今日はメールに関する話で一本。
堀江貴文「メールに"お世話になっております"と書く人は最悪だ」 相手の時間を奪う悪質な行為有能なビジネスパーソンの条件とはなにか。実業家の堀江貴文氏は「処理能力が低い人に限って、メールに『お世話になっております』などと書いている。読んでいるだけでイライラさせられる」という――。堀江貴文「メールに”お世話になっております”と書く人は最悪だ」
プレジデントオンライン
今回はホリエモンの記事を元ネタにしたが、巷ではよく「メールの返信が早い人は仕事ができる」と言われている。今回はこれが本当かどうかを分析してみる。
※今回は「了解」「承知」のような、Yes/Noのみ回答するメールは除外して考える
「返信が早いメール」には3種類ある
メールの返信が早いといっても、問題は内容である。返信ということは、何かしらの問いがあって、回答をしているはずである。その回答内容は大きく3つに分類される。
①回答が早く、その根拠も書かれている
これはメールとしてはパーフェクトである。もちろん、その回答がズレていることもあるが、ズレたポイントもわかるので修正しやすい。そして根拠が書かれていると、その指示を関係者に共有したときに「なんで?」と聞かれたときの手戻りがない。メールのスピードが早いだけでなく、その指示が浸透するスピードも早い。
②回答が早いが、その根拠が書かれていない
これはメールとしては不十分である。根拠が不明だと十分な理解ができないし、理解できないまま関係者に伝えるとすると「○○さんがそう言ったから」としか言えず困ってしまう。もう一つデメリットがあり、この言い方は上から目線の指示に聞こえてしまうので注意したい。「いいから黙って言う事を聞け」というニュアンスに近くなるからだ。
③回答が書かれていないが早い
これは回答者に質問の意図が伝わっていない可能性が高く、回答したくても出来ない状態と思われる。質問者は回答しやすい質問、例えば5H2Wを明確に伝えるなどの改善が必要になる。
①のメールなら大歓迎だし、仕事が早いと言えるだろう。しかし②のメールは嬉しいとは限らない。内容不十分だと、受け取った人間は困惑するし、逆に「早いだけ」と思われかねない。
実際にあった「返信の早いメール」の内容
ここで私が経験してきた「メールの返信が早い人」を紹介してみよう。どんな内容で返信してくるのか、本当に仕事ができる人なのかを見てみる。
ケース① とある経理のエラい人
この方は私の上司にあたる人間。メール返信は早かったが、内容はこんな感じ。
- 「○○さんに聞いてください」
- 「これは○○さんが判断すべき事項です。○○さんがやるべきです」
- 「○○のようなケースはどうするのですか」
確かに早いのだが、質問に対して結論を出していないし根拠もない。私がこの人に抱いていた印象は「上から目線で意図が理解できておらず、自分は仕事ができると思ってる勘違いおじさん」だった。自分のメールは早くても、関係者の仕事が停滞するため、チームとして成果を上げにくい人だった。
ケース② とある会社の社長
この方はとある会社の社長。この人もメール返信は早かったが、内容はこんな感じ。
- 「これは○○としましょう。急ぐ状況ではないので」
- 「○○のようなケースはありませんか?リスクがどのくらいあるか気になりました」
- 「私よりも○○さんの方が詳しいので聞いてもらえますか?その方が確実だと思います」
この方の印象はどんなものだろうか。私が持っていた印象は「短文だけどわかりやすい、相手のレベルに合わせた内容でメールが書ける、気遣いができる人」だった。この方は社員からの人望も厚い方で、事業も順調に進められていた。
メール返信で大事なのは○○○○であること
2人ほど例を挙げたが、どちらの人もメール返信が早く「仕事ができる人」という印象は与えていたように思う。しかし実態としては結構な違いがあった。
とある経理のエライ人は、人に理解させようとしていない
とある社長の人は、人に理解させようとしている
結局のところ、メール返信で大事なのは「他人本位」であることだ。仕事ができる人と認められるには、「早く返信する」のも大事な要素だが、「読んですぐに理解できる」のも同等以上に大事な要素。世の中にはこのどちらも出来る「本当に仕事ができる人」もいるが、我々のような凡人は「読んですぐに理解できるメール」を書く訓練をした方がいい。多少遅くても、仕事は確実に進むからだ。
コメント