【採用】バックオフィス戦略構築:採用計画のギャップがもたらす問題

採用に関すること

ダイナーマスクです。このブログでは「バックオフィス戦略構築って大事だよ」という内容をわかりやすく書いていく予定。今日は採用計画にフォーカスして一本。

エピソード:私が予算責任者だったころの話

事業部長「来年、ウチの事業は20%成長させるから!人員も20%成長にするから!」
ダイナー「景気いいですね。それは経営陣からOK出てんの?」
事業部長「もちろん。売上20%は絶対達成しろ!って。圧が強いんじゃ~」
ダイナー「そっちじゃなくて人員の方よ。20%増はOK出てんの?」
事業部長「何も言われてないけど、売上伸ばすなら人員も伸ばすでしょ」
ダイナー「いま採用厳しいよ。労働人口減少とか、賃金上昇とか、ニュースでも言ってるでしょ」
事業部長「そこをなんとかするのがバックオフィスの仕事でしょ」
ダイナー「 」

~~1年後~~

事業部長「売上高は20%成長行ったよ、だけど人員は12%しか増えなかった」
ダイナー「あんな計画無理だよ、採用難しいって言ってたでしょ」
事業部長「採用追いつかなかったから、売上目標達成は苦労したよ」
ダイナー「そっち優先した分、バックオフィスは人増やせなかったし、改善計画も未達だよ」
事業部長「まあしょうがないよね」
ダイナー「あと、いろんな部署で退職が多くて、補充が追いつかんのよ」
事業部長「うちも仕事キツかったからか、また3人辞めるんだよ、補充頼むよ」
ダイナー「退職補充って計画に入ってるの?」
事業部長「入ってない。入れたら採用費オーバーして予算崩れるから」
ダイナー「 」

採用計画の甘さとギャップの問題

最初のエピソードは「バックオフィスあるある」だろう。最初に立てた計画がうまく行かず、その理由をバックオフィスのせいにされる。この原因はなんだろう。

多くの企業は、フロントオフィスに焦点を当てて予算を立てる。順番はこんな感じ。

  1. マーケットの拡大や、市場シェア増加の目標を立てる
  2. 売上高予算を立てる
  3. 採用計画を策定する

ここで問題になるのが3.採用計画。マーケットとか売上高を中心に予算を作ってるので、バックオフィス側(採用部門含む)の都合など知ったこっちゃない。その結果、フロントオフィスが希望する採用人数と、バックオフィスが提供できる採用人数との間にギャップが生まれる。これが問題の始まり。

売上予算に対して、そもそも無理だろ!っていう人員計画、多くない?

採用数不足が引き起こすジレンマ ①採用部門が回らない

バックオフィスが提供する採用人数が未達になるとどうなるか。

  1. 経営陣としては、成長事業と新規プロジェクトの遂行は止めたくない
  2. フロントオフィス、およびプロジェクト人員を減らすことをためらう
  3. 結果として、バックオフィスの採用数を減らす
  4. バックオフィスが減ると採用部門が回らなくなる
  5. 採用部門が回らないので、採用目標が未達になる(負のスパイラル)

採用人数が足らないと、採用部門が回らなくなる。当然、採用目標達成はさらに難しくなる。

採用数不足が引き起こすジレンマ ②退職者数が増える

採用目標が未達になるとどうなるか。

  1. 採用目標に達しない
  2. 売上目標達成のため、賃金に見合わない目標設定やハードワークを強いられる
  3. 退職者が増える

採用部門が回らないと、退職者が増えて、補充採用が増える。当然、採用目標達成はさらに難しくなる。

採用数不足が引き起こすジレンマ ③プロセス改善ができない

フロントオフィスに人員を持っていかれたバックオフィスはどうなるか。

  1. バックオフィスの採用が滞る
  2. 計画していたプロセス改善、システム改善ができない
  3. 業務プロセスが非効率のまま継続する

バックオフィスの採用が滞ると、業務プロセスが非効率で、採用効率も上がらない。当然、採用目標達成はさらに難しくなる。

問題は「○○○○の甘さ」と「○○○の認識のなさ」

結局のところ、問題の根本は採用計画の甘さに他ならない。マーケットや事業成長しか考えない採用計画だと、現実の採用数とのギャップが生まれ、企業成長が鈍化する。

そしてもうひとつの問題が、経営陣の認識のなさ。責任追求は採用できなかったバックオフィスに向くことになり、その結果、経営陣やフロントオフィスは反省しない。そのため問題は繰り返され、気づいたときには思ったように企業が成長していなかった、となってしまう。

バックオフィス戦略から見た改善策

バックオフィス戦略から見た、具体的な戦略を2つ提示しておくとこんな感じ。

  1. 採用部門は、採用市場や賃金上昇から、採用可能人数を論理的に計算する
  2. 経営陣は、全社予算を策定する際に、売上予算と人員予算の整合性を取る

日本には「無い袖は振れない」という言葉があるが、リソースや効率向上がないと売上なんて上がらないのは至極当然。売上目標を立てるときに、これくらい伸ばしたいという「希望」だけではなく、人員数や生産効率といった「現実」で考えてギャップを埋めること。これが戦略から見た改善策となる。

なおエピソードに出てきた企業、いまでも採用計画は常に未達成らしい。成長率は…想像に任せます。

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