今回は損益管理のカテゴリーから、企業にとって重要課題のひとつである「コスト削減」について一本。
エピソード:私が経理リーダーだったころの話
副社長「ダイナーくん、来期は円高がキツくて、売上あんまり伸びそうにないな」
ダイナー「輸出企業だからそうなるでしょうね」
副社長「利益は削れないから、各部にコスト削減の号令出しといて」
ダイナー「簡単に言いますけど、各部ではコスト削減できないと思いますよ」
副社長「なんでよ」
ダイナー「だって、経理がいくら言っても『この経費は絶対に必要だ』っていうに決まってます」
副社長「じゃあ仕入値もっと下げてもらうか」
ダイナー「下請けさん、いつも協力してくれてるのに、またですか?」
副社長「円高特別施策とか言えばいいだろ」
ダイナー「 」
コスト削減が大事な理由
グローバル化が進み、情報が容易に手に入るようになった現代。継続的な成長と競争力の維持をするためには、収益最大化を常に追い求める必要がある。そのため、企業は売上拡大と同様、コスト削減が欠かせない。
当たり前ではあるが、コスト削減をするとこんないいことがある。
- 利益の増加と企業価値の向上
- 業務効率の改善
- 賃金への還元による社員の満足度増加
- 新事業開発への投資
- 資源削減による環境への配慮
ただし、コスト削減が大事だと理解していても、うまく対応できている企業は多くないように思う。冒頭のエピソードのように、外部の下請企業に丸投げすることも少なくない。そこで今回はコスト削減ができない理由、およびコスト削減の鉄則とリード方法について、戦略を綴ってみる。
コスト削減における理想と現実のギャップ
コスト削減の方法として、一般的に言われてるのはこんな感じだろうか。
【一般的に言われているコスト削減方法】
・コストがどれくらい発生しているか、現状を把握する
・コスト削減の計画を立てて、削減金額や方法を具体的に決める
・役員、社員に通知して、全社で対応する
経営学の本やビジネス書を見れば、どこにでも載ってる内容である。しかし実際はこの通りに進まないから、みんな苦労してるのだ。計画倒れになることも多いし、一年中ダラダラと進めて効果は不明瞭、なんてことも多い。
またこれとは逆に「コスト削減しすぎてビジネスが進まない」なんてことも多い。何をするにも社長決裁(取締役会決裁)が必要で、お金をかけなかったり、検討スピードが遅すぎる、というのもよく聞く話。事業展開に影響が出るレベルのコスト削減も問題である。
このように、コスト削減の世界では、理想と現実に大きなギャップがある。
ダイナーマスクが選ぶ「コスト削減がうまくいかない理由・トップ3」
ではここで、企業内部で20年以上、コスト削減を見てきたダイナーマスクが独断で選ぶ「コスト削減がうまくいかない理由・トップ3」をご紹介。
【ダイナーマスクが選ぶ、コスト削減がうまくいかない理由・トップ3】
第3位:削減の優先順位がつけられない
第2位:ケチることと削減することの違いがわからない
第1位:○○○○をしていない
第1位の発表、および内容の深掘りについては②に続く。
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