【経理キャリア②】 簿記資格と組み合わせるべきスキル3選:経理キャリアの扉を開く

会計に関すること

今回は【経理キャリア①】簿記資格だけで満足してないですか?経理キャリアの壁とは の続き。

経理パーソンとして簿記資格だけでは頭打ちになる。しかし簿記と組み合わせることでさらにキャリアが伸びるスキルというものは確実に存在する。今回は簿記資格と組み合わせるべきスキル3選をご紹介。

簿記資格と組み合わせるべきスキル ①会計知識を相手に伝える力

1つ目は「会計知識を相手に伝える力」である。経理でこれが出来る人は意外なほど少ない。みなさんの周りにもこんな人はいないだろうか。


事業担当「うちのサービスって、いつPLで売上が立つんです?」

経理担当「あー、これは収益認識基準が変更されて、履行義務の充足による収益の認識というのが重要になってくるんですね。このサービスは一定期間で徐々に収益認識する必要があり。。。」

事業担当「わかるかーぼけー」


事業担当者に平気でこんなこと言っちゃう。経理パーソンはバックオフィスであり、サービスを受ける人の顧客ニーズを満たすのが仕事。内容は正解かもしれないが、サービス的には不正解である。

あとPCを使う仕事なのに、資料作りもうまくない。パワーポイントで経理部の日常業務を説明するように言われたら、こんな資料が出てくる。

信じられないかもしれないが、このままパワーポイントに貼り付けるのが経理クオリティである。そして、これを棒読みするところまでがテンプレ。もうね、分かってもらう気が一切なく「経理に関わってくれるな」という拒絶すら感じるレベルである。こんなだから、部下に業務を教えるのも当然苦手。

逆にいえば、他人に会計知識を教えられる経理パーソンは重宝される。具体的には以下が出来るようになっておきたい。

  • 簿記知識をなるべく使わずに説明できる
  • パワーポイントの作り方が上手で、説明がわかりやすい
  • 新人教育ができて、実際に新人が伸びてくれる

簿記資格と組み合わせるべきスキル ②テクノロジーの知識

経理といえばEXCELである。大量の数値を集計できるし、関数を組めば同じ作業を繰り返せる、ここまでは理解できるが、20年間、同じEXCELを使い続けるのが経理クオリティ。逆に改良したEXCELを作ると「どこのファイルに影響が出るかわからない」と言われて拒絶される。影響出たら改善すればいいだけなのに。。。プライム市場の関係企業が裏でこんなことやってるって、恥ずかしくて言えない笑

このエピソードからわかるように、経理は何もしなければ同じ技術を使い続ける性質がある。EXCELもそう、会計システムもそう。だからオ○ビックは儲かり続けるし、セレクトセールでダノ○クスは高額馬を買いまくれるわけです(←言いがかり)

しかし現在、新しいテクノロジーはかなり進んできている。ざっと上げるとこんな感じ。

  • 領収書や請求書はAI-OCRが読み取り、仕訳まで自動生成される
  • 切られた会計仕訳のチェックはAIが行う
  • 入金は自動引当で、ボタンひとつで仕訳が切られる
  • 見込みのパラメータさえ入れれば、損益予測もシステムで自動計算
  • KPIはRPAで毎日自動配信
  • 人の手が入らないのでエラーも手戻りも少ない

実際にこれがスタンダードになりつつある。このテクノロジーを導入して使いこなせる、若くて安価な人材と、簿記1級だけど未だにEXCELしか使えない、ベテランで高額な人材。企業ならどっち取りますか?って話であり、答えは言わずもがなである。

このように、現代の経理パーソンにとってテクノロジーの知識は必須である。簿記の教科書を開くだけでなく、広告が出ているテクノロジーを調べたり、半年に1回の展示会行くなりは絶対にした方がよい。

簿記資格と組み合わせるべきスキル ③ビジネスの未来を変える力

経理業務の最重要項目のひとつとして「決算期間内に財務諸表を作る」がある。私も毎日夜遅くまで会社に残って、訳のわからない伝票を見て、気が狂いそうになりながら財務諸表を作り、力尽きて終了、という日々を長く経験してきた。

しかし経営者が経理パーソンに本当に期待していることは「財務諸表を作ること」ではない。「財務状況から未来を見通して、ビジネス戦略を考えたり、意思決定のサポートをしてほしい」ということだ。それなのに、経理は忙しいといって協力したがらない。これが実情である。

逆にいえば、ビジネス戦略を考えてサポートできる経理パーソンは重宝される。例えばこんな感じ。

  • 原価率アップのアラートが出ていることを報告し、原因を探ってもらう
  • 期末に広告を使うことで、今期の費用を増やし、翌期の売上に繋げる
  • 採用人数が予算未達でコスト上昇してるので、1人あたり採用費をKPI化する
  • サブスクモデルの収益率とチャーンレートを正確に出すため、PL構造とKPIを変更する

ここで上げた話のほとんどは、経理パーソンなら理解はできるはず。しかし助言してくれる簿記3級の人と、なんの助言もしてくれない簿記1級の人、どっちが重宝されますか?って話である。提案できるようになるためには、①会計知識を相手に伝える力と、②テクノロジーの知識を習得しつつ、事業部とビジネスの話をしながら、ビジネスの未来を変える力をつける必要がある

まとめ

簿記は他のスキルと組み合わせることで、よりビジネスパーソンとしての価値があがり、キャリアアップが可能となる。これからの経理パーソンに期待されることは、会計知識を伝えられて、技術が使えて、ビジネスの未来を変えること。簿記をやるのも結構だが、身につけるべきスキルはまだまだ多いということは理解しておきたい。

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