【育成】納得できる評価面談:私が気をつけていたこと②

人材育成に関すること

【育成】納得できる評価面談:私が気をつけていたこと①の続き。①では「評価される側」の視点で書いたが、②では「評価する側」での視点で書いてみた。単に私がどう考えていたか、という話なので、気楽に読んでいただければ。

評価面談よりも○○の方が大事

まず大前提として、評価面談よりも目標設定の方が大事である。このロジックは、企業や事業部が必ず設定する「売上目標」で考えてみるとわかりやすい。

Aさん:売上目標100万円:実績120万円
Bさん:売上目標200万円:実績120万円

この両名、実績がまったく同じだが、AさんBさんの評価が同じになるわけがない。目標と実績の対比によって初めて評価ができるのだから、目標がなければ評価ができないのは自明である。

「目標立てるのは当然」と思われるだろうが、目標設定ができていないケースは本当に多い。そして目標設定を疎かにするのは、たいてい評価者の方である。「目標なんか適当でいい、実績だけ見ればわかる」という評価者には、実績120万円の価値がわからない。よって評価も自分勝手な判断で、適当につけることになる。

適当に評価をつけるとどうなるか。評価が上がるならまだいいが、理由もわからず評価が下がったメンバーは「この人の元ではキャリアに限界がある」と感じ、退職を検討しはじめることになる。つまり目標設定をせずに評価を下げる行為は、退職率に跳ね返るはずなのだ。実際、知り合いのマネージャーで退職率が高かった部門は、「忙しいから」といって、目標設定を行わずに評価をしていたらしい。そりゃみんな辞めるよ。。。

目標設定で私が気をつけていたこと

目標設定が大事なのは理解できたと思う。次は私がマネージャーだったときの目標設定方法と、気をつけていたポイントをご紹介。

①一番最初に、チーム目標とメンバーへの期待を伝える

まず目標設定の基本的な考え方だが、私はよくサッカーに例えて説明していた。

【サッカーの目標設定】
監督:チームが勝つ
選手:チームが勝つために、監督の戦術に沿って動く

ここは違和感ないと思う。ではこれを企業の目標設定に置き換えるとどうなるか。

【企業の目標設定】
マネージャー:チームで目標達成する
メンバー  :チームで目標達成するために、自分の役割を理解して動く

つまりメンバーの目標はチームの目標がないと作れないのだ。よってマネージャーが一番最初にすべきことは、チーム目標を設定し、その目標のためにメンバーに何をしてほしいか、メンバーへの期待をきちんと伝えることが必要だ。

これも当たり前の話かも知れないが、私が評価される側だったときに、チーム目標をきちんと伝えてきた評価者は一人もいなかった。バックオフィスだからかもしれないが、チーム目標がない、もしくは「決算日程守って」という粗い方針だけで、目標も立てられないし評価も上がらないということがずっと続いたのだ。

私は優秀な反面教師に恵まれていたのだなぁと改めて認識した。

②伝えた役割に対して、設定された目標の難易度を確認する

メンバーに期待するところを伝えたあと、メンバーに目標を作ってもらう。このとき私は、作られた目標の難易度を確認していた。具体的にはこんな感じ。

  • メンバーに「この目標は難易度高いのか低いのか、教えて!」とあえて聞く
  • 目標が高い場合 or 妥当な場合は「がんばろう!」でモチベーション上げて終了
  • 目標が低い場合は「達成しても標準くらいの評価になるよ」と事前確認する

ポイントは、難易度を自己申告してもらうこと。目標が難しいのか、そうでないのかをすり合わせないと、評価が変わるからだ。また自分で設定した目標には責任が伴うので、自主的に動いてもらいたいという意図もある。では実際に、私とメンバーがどんな目標設定していたのか、例を上げてみる。

例1:キャリアアップに興味のないメンバー
・前期と同じ業務内容で、確実に達成できる目標を作ってきた
・達成しても評価は高くしにくいけど、それでもいい?と確認
・メンバーは「これでいい」とのことで確定(もし目標を上げるなら要相談)

このメンバーは仕事きっちりだが、責任が重い業務はプレッシャーを感じるタイプ。なので目標の難易度は高くないがOKとし、しっかり業務を回すことに専念してもらうことに。ただしゼロ成長なのもよくないので、何かしらの新しい目標は追加で入れるよう指示はしていた。

例2:チーム目標と関係ない目標を立てたメンバー
・チーム目標と関係なく「私はこの業務をやりたいんです」という自己申告
・メイン目標はチーム目標に沿ってほしい、じゃないと評価してあげられない、と説明
・最初の目標はサブ目標にして、メインは新たに目標設定して合意

このメンバーはEXCELが得意で「EXCELの関数を全部きれいにして業務改善する」などの目標を立ててくる。つまり得意分野の方が評価を上げやすいと分かっているタイプ。このパターンは、チーム目標に沿っていない以上、評価は高く出来ないことを説明して、目標を再設定することになる。

今回は2つ例を上げたが、このように目標設定は個人ごとにカスタマイズする必要がある。ただ大前提である「メンバーの目標はチームの目標がないと作れない」という点さえ押さえておけば、そう外れた目標にはならないはずだ。

目標設定をきちんとやれば、進捗管理が機能する

目標をきちんと決めておけば、毎週・毎月・四半期の進捗管理が機能する。進捗管理が機能すれば、チーム目標も達成しやすくなる。逆に目標がないと、期中で思いつきで動いたり、手を抜いたり、頼んでもいないことをやったりとチームがバラバラになる。「何をやってるかわからない」と言われる部門は、進捗管理も疎かになっていることが多い。

そして進捗管理が機能すれば、評価面談もそんなに難しくない。目標の達成・未達成はある程度事前に判断できているからだ。とはいえ、評価面談にもコツがあるので、ここは次回解説する。

【育成】納得できる評価面談:私が気をつけていたこと③ に続く。

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