【営業サポート】本当にDXできてますか?アナログの罠を脱却し、デジタル変革で成果を上げる戦略④

営業サポートに関すること

今回は【営業サポート】本当にDXできてますか?アナログの罠を脱却し、デジタル変革で成果を上げる戦略③ の続き。

前回までの振り返り

  • 「アナログの罠」とは、システムがデジタルなのに、業務はアナログのままであること
  • アナログとデジタルのうち、デジタルだけが数値化が可能である
  • 現代ビジネスでは、デジタル化して数値化しないと勝負にならない

今回は「アナログの罠」から脱却するための、具体的な対策や解決策を書いてみる。

「アナログの罠」への具体的な対策

「アナログの罠」への対策は、デジタル化のときに戦略的に数値化を進めることが有効である。この具体的な対策は3つ考えられる。

①経営陣がデジタル化の目的と優先順位を決める

デジタル化は手段であって目的ではない。収集したデータを使う目的は、経営陣が明確に定める必要がある。目的のない全社プロジェクトは迷走確定、場合によっては企業が衰退するきっかけにもなるからだ。たとえば顧客管理システムなら、デジタル化する目的は以下が考えられる。

顧客システムでデジタル化を行う目的(一例)

  • 営業視点:効率的なターゲティング
    • 年齢、性別、地域、購買行動などセグメント化によるターゲティング
    • 顧客の行動、好み、購買履歴などによるパーソナライズ
    • 顧客満足度の観測による長期的な関係構築
    • 使用期限のデータ化によるリピート施策
  • 顧客視点:個別化されたサービスと体験、利便性の向上
    • レコメンド機能搭載のためのデータ収集
    • 商品情報のリアルタイム反映(価格、レビュー)
    • 購買プロセスの改善(オンライン購入~決済)
    • カスタマーフィードバックの収集

この目的に対して優先順位を決めてから、実現できるシステムを選定する、という流れになる。

【私が経験した失敗例】
私がコケたプロジェクトの話だが、経営者が「現場がやりたいようにさせる」とした結果、時間がない営業担当は、数値化を一切していなかった。住所と代表者しか入ってない顧客ページを見た時に、メンバー全員「なんのためにシステム入れたの。。。」となったのは言うまでもない。

②システム内で「文章を使わない」ことを徹底する

デジタル化とは数値化なので、裏を返せばすべての項目で「文章を使わない」と徹底することが有効だ。たとえば顧客管理システムならこんな数値化が考えられる。

顧客管理システムで数値化すべき項目(一例)

  • 顧客タイプ(B2B or B2C、重要顧客のABC管理など)
  • 購買頻度管理(平均購買回数、平均購買額、最終購買日、LTVなど)
  • コミュニケーション(最終コンタクト日、コンタクト方法、応答率など)
  • フィードバック(顧客満足度、アンケートスコアなど)
  • リスク要因(支払滞留実績、ブラックリストなど)

これらはすべて「○か×か」「AかBかCか」などで統一されており、文字など使っていないのでデータ集約が容易になる。またこれはシステム開発に必要な要件なので、要件定義の時点で数値化すべき項目をきちんと洗い出すことが重要になる。どうしても文字を使いたい場合は「備考欄」を使うことになるが、文字数を制限したり社員教育をするなどして、文章を極力減らすべきである。

【私が経験した失敗例】
私が所属していた企業では、顧客とのやり取りをすべて文章で顧客管理システムに残していた。その結果、別の担当者が顧客ページを見に行ったときに営業情報を全部読むのに30分以上かかるといったことが頻発していた。システム入れた結果、効率化とは真逆の結果になっていたのである。

③とにかく業務をシンプルに、パターンを絞る

デジタル化を進める際に、現場が気をつける点もある。それは「とにかく業務をシンプルに、パターンを絞る」ということ。理由は2つある。

【業務をシンプルに、パターンを絞る理由】

  • システム開発が大変だから
  • うまくデータが取れないから

まず色んなパターンを搭載すると、時間も費用もかかってシステム開発が大変、というのは容易に想像できるだろう。ただ現場担当者はそこまで頭が回らないもの。第三者視点で「本当にこれは必要な業務なのか?」というチェックが必要。またうまくデータが取れないのも問題。データは集計してナンボ、統一性のない業務フローから取ったデータはうまく集約できないからだ。

とはいえ、業務集約は論理的かつ効率的に行う必要があり、なかなかに難しいので、それなりの能力を持つ人材を充てたいもの。たとえば「値引き」の業務集約をするとして、以下の問題に答えられるだろうか。

(問題)
販売管理システムで値引き登録をしたい。売価1,000円のものを950円で販売するとき、登録方法は「50円の値引き」と「5%の値引き」の2つがある。業務統一するなら、どちらの方法に寄せるのが適切か。(答えは最下部)

業務は同じに見えるが、効率化の面では実は差がある。どちらに統一するか、というところまで気を配って設計しておきたいものだ。

そして最も難しいのがイレギュラーケースの排除。【営業サポート】バックオフィス戦略構築:顧客の声はどこまで聞くべき?効率性の観点から考えてみたでも書いたが、イレギュラーケースのほとんどは顧客の声から作られている。そして現場担当者は「顧客がそう言ってるから」を免罪符として、改善に走ろうとしないケースが本当に多い。しかしデジタル化という自社の最適化を目指すには、イレギュラーケースを可能な限り排除すべきである。顧客の負担が少なく受け入れやすい提案を心がければ、顧客も柔軟に対応してくれることが多いので、勇気をもって改善を進めることが必要になる。

まとめ

今回は「アナログの罠」に対応するために、デジタル化を進めるための具体的な対策を書いてみた。

  1. 経営陣がデジタル化の目的と優先順位を決める
  2. システム内で「文章を使わない」ことを徹底する
  3. とにかく業務をシンプルに、パターンを絞る

なおデジタル化を行う際は、外注してでも業務改善ができる人を配置すべきと考える。業務改善をすることで、結果的にシステム開発費用が安価に済み、デジタル化の恩恵を大きく受けられるからだ。なお私が思う業務改善ができる人とは、頭が柔らかく、観察力があり、発想力のある人。ひとことでいうと「謎解きの力がある人」かな。

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(問題の答え)
システムで設定すべきは「5%の値引き」の方。率なら0%~100%で設定できるが、金額であれば0円~1,000円と入力パターンが10倍になる。また顧客ごとの値引率を見る場合、率なら加重平均が使えるが、金額だと平均が出せないのだ。

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