【採用】面接官が知るべき、本当に価値のある人材評価軸①

採用に関すること

今回は採用の話で一本。以前は「採用にはマーケティング手法を入れるべき」という話を書いた。

【採用】選ばれる企業、選ばれない企業:実はバックオフィスの採用は難しい①
【採用】選ばれる企業、選ばれない企業:実はバックオフィスの採用は難しい②

今回はその続編。マーケティングの手法を使って集客した候補者に対して、採用面接時にどうやって人材評価をしていくのか。過去500人以上の採用面接をしてきた私の考えを書いてみる。

エピソード:私が面接を受けたときの話

採用担当「ダイナーさんは○○業務は出来ます?」
ダイナー「はい、10年ほど経験あります」
採用担当「▲▲業務はどうですか?
ダイナー「実務経験こそ少ないですが、理解はできます」
採用担当「▲▲業務の課題が多いんだよねぇ、年数が少ないのか、そうか」
ダイナー(…年数が少ないからなんなの?能力次第じゃないの?)
採用担当「マネジメント経験はどれくらい?」
ダイナー「年数でいうと10年くらいはやってますね」
採用担当「ふーん」
ダイナー(…全然考えて面接してないね、これじゃいい人は来てくれないだろうな)

~~~~1週間後~~~~

仲介業者「NGでした、▲▲経験が少ないということで」
ダイナー「でしょうね」

この企業、ずっと一方的な質問ばかりで、そんなんで採用できるの?とこちらが心配するレベルだった。企業のビジネスや雰囲気は悪くなく、採用手法でかなり損している印象があった。このようなヤバイ面接で損してる企業は、体感で30%~40%くらいはあったかな。

こんな面接してませんか?ヤバい採用面接3選

私が経験してきた中で、こちらが心配になる面接とはどんなものだったかを紹介してみる。なおハラスメント系や圧迫面接など、ブラックなやつは問題外として除外しているので悪しからず。

①スキルマッチングに傾倒している

「このスキル持ってる?」「あのスキルは?」といったスキルマッチングに走る企業。これは本当に多くて、結構な確率で遭遇する。スキル確認は別に問題ないのだが、スキルマッチングに傾倒しすぎる企業は結構ヤバイ。なぜなら、スキルマッチングが完璧にハマる人など、どこにもいないからだ。

候補者は色んな思想を持ち、色んな企業で、色んな経験をしてきている。身につけたスキルは十人十色、転職先とスキルが完全マッチする人材などSSRレベルのレアキャラである。SSRは滅多に転職市場に出てこないし、万が一発見してもSSRは取り合いになるので、相当な高給を積まないと入社はしてくれないだろう。

このパターンは企業の自己評価が高く、採用の厳しさをわかっていない企業に多い。恋愛でいえば、理想を追い求め続けて相手が見つからない人が近い。仮にドンピシャな対象がいたとしても、今度は自分が選ばれない。結果、いつまで経ってもポジションが埋まらず「いい人がいない」と嘆くことになる。

②コミュニケーションが一方通行

一方的に候補者に説明させる、もしくは一方的に企業側が説明するといった、コミュニケーションが一方通行のタイプ。この形も結構ヤバイ。なぜなら候補者との相性を無視して選ぼうとしているからだ。

候補者が最初から「この会社に入りたい!」と思っていることはほとんどなく、大抵は自己アピールと企業アピールを通して「この企業が自分にフィットするか」を見ている。このとき、コミュニケーションが一方通行だと、候補者自身、フィットするかどうかが判断できない。その結果、面接によって志望度が上がってこないし、最悪の場合は印象が悪くなる。

このパターンは企業が「選んでやってる」という上から目線の企業に多い(単にコミュ障の面接官もたまにいる)。恋愛でいえば、他人を尊重出来ず、自己満足に浸る人が近い。面接といえどもビジネスなのだから、どちらの方が立場が上とかはないし、そういう空気を感じた相手からは敬遠されることになるだろう。

③実績を深掘りしてこない

話の内容や質問が薄っぺらく、まったく実績を深掘りしてこないタイプ。これは部門面接でよくあるヤバイ形。このパターンは2つに分類されるので分けて分析する。

「深掘りしないパターン」1つ目は、興味はあるけど聞かない(聞けない)場合。例えばエピソードにあったマネジメントの話。面接官が自部門のマネジメントを言語化できてなかったり経験不足だったりで、掘り下げられない場合がある。これは面接官の知識・経験不足に由来するので、面接官を変えるか、再教育が必要になる。

「深掘りしないパターン」2つ目は、候補者に本当に興味がない場合。これはスカウトした人事は興味があるが、部門が興味がないという意思疎通の問題になる。もし興味がないならお互いに時間のムダなので、すぐに部門と人事で話して改善すべきである。

パターンを2つ紹介したが、どちらにせよ候補者からすれば、深掘りされなければ「興味が湧いてない」と感じる。わざわざ面接に呼んでおいて「興味がない」は本当に失礼だし、面接中にイラ立ちすら感じる。志望度が上がるわけがないので、せっかく内定を出しても受諾率が落ちるという別のヤバさもある。

この失敗パターン、部門と人事の意思疎通ができていない企業に多いように思う。恋愛でいえば、合コンに行ったのにそっけない人が近い(恋愛以前の問題かな?)。何で会ったの?と言われて当然、興味があるなら積極的に話すべきだし、興味がないなら時間のムダである。

まとめ

今回は私がこれまでに遭遇したヤバイ採用面接3選をご紹介した。総じて言えるのは、候補者の立場を考えていない面接はヤバいということ。相手の気持ちを考えられない恋愛などうまくいかないのと同じである。

では私自身は採用面接官として、どんな人材評価軸をもって採用面接を行っていたのか。次回、【採用】面接官が知るべき、本当に価値のある人材評価軸② に続く。なお私の採用基準はオリジナルだが、500人を面接する中で改良してきたメソッドであり、同僚からも「なるほど、それはいいね!」と言われていた基準である。少しでもみなさんのお役に立てれば嬉しい。

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