今日は組織の話をプロ野球から持ってきた。こういうのもビジネスの一貫と考えると意外と面白い。
中日・立浪監督がファンに謝罪も「辞めろ」「うるせえ」スタンドからは怒号とブーイングが飛び交う異常事態/デイリースポーツ online「中日ドラゴンズ1-3読売ジャイアンツ」(3日、バンテリンドーム) 引き分け以上で球団史上初となる2年連続最下位を回避できる状況だった中日が今季最終戦の巨人戦に敗れ、最終順位は4日のヤクルト-阪神戦の結果に委ねられた。スタンドからは「辞めろぉ」「うるせえー」といった怒号とブーイングが飛び交う異常事態となった。それでも、挨拶の終盤には「頑張れよ」「辞めるなよ」という激励の拍手も飛んでいたが、近年では例を見ないファンの不満を示すセレモニーとなった。
引用元:デイリースポーツ
しかし立浪はメンタル強いね、ここは本当に見習いたい。私のような豆腐メンタルだと、グズグズに崩れてすぐに豆乳化しますな。
ドラゴンズが弱いのは問題があるから?過渡期だから?
それはそうと、怒号が飛ぶのも、弱いと言われるのも最下位なので当たり前。ただ一方で、若手を積極起用してるから仕方ない、と見る向きもある。チームに問題があるのか、それとも過渡期だから仕方ないのか、いまいち弱さの原因がはっきりしないので私なりに分析してみる。
2年間でドラゴンズに起こった数々の「問題」
まず、立浪監督になってから起こった事件を並べてみよう。またそれぞれの「問題について、私の見解も織り込んでみた。
①中村紀・打撃コーチ降格問題
立浪政権1年目、長打力アップの目的で中村紀を打撃コーチに招聘したが、2ヶ月で2軍降格。掲げたミッションや与えた権限を2ヶ月で剥奪するってどうなの。朝令暮改は選手もコーチも迷ってしまう。
②自ら打撃指導をしてしまう問題
京田、高橋周平、鵜飼らには、打撃コーチを無視して自ら打撃指導。一向に調子が上がらず、逆に調子が落ちてくると「迷っているから」といって2軍降格。
③令和の米騒動問題
それぞれ状況が異なるメンバー全員に対して「米を食うな」と号令。選手、トレーナー、栄養管理士の立場を無視すれば、混乱しか呼ばない。
④「戦う顔をしていない」問題
京田が「戦う顔をしていない」で2軍降格、あげくトレードに。選手個々の特徴を、根拠なく「やる気」と捉えてしまうと、リーダーの顔色を伺う組織になり、考えて動くことや創意工夫が失われてしまう。
⑤1回10失点の晒し投げ問題、根尾たらい回し問題
近藤の続投、根尾のコンバート、各種の謎采配など、監督として判断をしたときの根拠がどうにも弱い。根拠が弱ければ「あいつ何考えてるんだ」と思われて求心力は失われる。
立浪ドラゴンズは組織作りの基本ができていない
たった2年なのに、エガちゃん伝説みたいにババッと並べられるのがまずおかしいのだが。。。この5つの問題点を並べてみると、後ろに隠れたさらに大きな問題点が浮かび上がる。
組織作りの基本がまったくできていないのだ。
実はビジネスの世界には「組織運営の5原則」というテンプレートがあり、この5原則に沿って組織作りすべし、というものがある。
【組織運営の5原則】
①責任・権限一致の原則(役割に与えられる権限の大きさは責任と同じくらいのものでなくてはならない)
②命令一元化の原則(常に一人の上司から命令を受けること、指揮命令系統を一元化すべき)
③統制範囲の原則(管理できる部下の人数には限界があり、これを超えると管理効率が低下するという原則)
④専門化の原則(機能毎に業務を分業し、専門性を高めることで生産性の向上を図るという原則)
⑤例外の原則(定型業務の処理は部下に委譲し、上司は非定型業務(戦略的意思決定および非定型業務の意思決定)に専念すべきという原則)
少々小難しいので結論だけいうと、立浪ドラゴンズは組織運営の5原則がすべて守られていないという、驚愕の状況が浮かび上がる。考えてみれば、立浪の言動・行動はすべて自分軸。自分が教えて、自分が指示して、自分の好き嫌いで判断する。だがこれは組織強化とは真逆の行為なのだ。そのくせ、自分の采配もうまくないので、組織もなかなか結果を出せず勝てないのだ。その証拠に、チームが弱いのに選手個別の成績は悪くない。これは組織として機能していないことの証左であろう。
2024年の立浪ドラゴンズはどうなる?日本一早い「予言」
最後に、2024年の立浪ドラゴンズについて「予言」しておく。まず優勝争いをするのは相当厳しいとみる。監督が組織運営の勉強をして、実践できれば可能性はあるが、50代のオジサンにとって「リスキリング」は単純に難しい。またここまで求心力を失ってしまうと、取り返す時間が足りない。よって「2024年度も若手偏重の育成重視、選手個別のスキルを磨きつつ、2025年度に一気に組織を変える」というのが現実的な改善策とみる。
※一番の問題点は「親会社」なのは私もわかっているが、150年もやってる新聞社に組織改善なんて無理なので、ここはあえて触れない方向で
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